SLE治療 ステロイド薬の副作用と対応について

膠原病(自己免疫疾患)である全身性エリテマトーデス(SLE)に対し、ステロイド治療を行います。

ここではステロイドの副作用についてと、実際に副作用を予防するために行った対応について記載していきます。

目次

ステロイド薬について

まずステロイドについてです。

ステロイドは、腎臓の上に副腎という臓器がありますが、そこから分泌されている副腎皮質ホルモンと同じ働きをします。

副腎皮質ホルモンは、炎症や免疫を抑える抗炎症作用であったり、血圧・糖・電解質の調整、ストレスに対する抵抗力等の働きに関わる、生きていくために必要なホルモンです。

副腎皮質ホルモンは日常的に分泌されており、通常どのくらい分泌されているのか?と言うと、

ステロイド薬(プレドニン錠)で換算すると、1日に2.5〜5mg程度だそうです。

ステロイド治療では5〜60mg(経口薬)と多量に使用します。上記のように作用する場所が様々なため、副作用も様々なところに現れてしまうということです。

副作用と実際の対応について

ステロイド薬の副作用は様々です。

その副作用を予防するため、薬を投与したり、

副作用に対して、薬を追加服薬することもあります。

実際どのような薬を使用したのか?

以下へ副作用についての説明と、

実際服薬した薬についても記載していきます。

精神神経症状

ステロイドは脳の視床下部に作用し、様々な精神、神経症状をきたします。

気分の高揚感、躁状態、イライラ、落ち込み、抑うつ、自殺企図、不眠等があります。

◎服薬した薬↓

不眠に対して、ゾピクロン、レンドルミンを使用

易感染

ステロイドを服薬すると、免疫力が下がるため、

感染症にかかりやすくなります。

◎服薬した薬↓

バクタ(感染予防のため)

骨粗鬆症

ステロイドを長期服薬すると、骨が弱くなり、骨粗鬆症や骨折のリスクがあります。

◎服薬した薬↓

ボナロン(骨粗鬆症予防のため)

胃潰瘍

ステロイドを服薬すると、消化管粘膜が弱くなるため、胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。

◎服薬した薬↓

ネキシウム(胃酸を抑え、潰瘍を予防するため)

糖尿病

ステロイドは糖の合成を高め、血糖値を上げる作用があります。

元々糖尿病の既往がある方は注意です。

○血糖値を採血や血糖測定で確認してもらえます。

高血圧、浮腫

ステロイドは塩分を体にため込む作用があるため、血圧が高くなることがあります。

○血圧測定を2回/日(朝夜)実施していました。

筋力低下

ステロイドを多量に服薬すると、たんぱく質を分解してしまう作用が強まり、筋肉が痩せてしまいます。

そのため、筋力低下が起きます。

これはステロイド(プレドニン錠30〜50mg)で特に感じた副作用でした。

○医師に確認の上、食品からたんぱく質補充をしていました。また詳細記載します。

食欲増進

ステロイドを多量に服薬すると、食欲増進が現れます。

また後述しますが、すごい食べましたし、空腹が2時間程で現れる時もあったため、辛かったです。

ステロイド(プレドニン錠30〜50mg)で特に感じた副作用でした。

満月様顔貌(ムーンフェイス)

ステロイドを服薬すると、顔周りや胴体に脂肪がつきやすくなることがあります。

発生時期は人によると思いますが、私の場合はステロイド(プレドニン錠10〜30mg)の時に見られました。

20mgの時が1番強く現れましたが、減量する毎におさまっていきます。

副腎不全

ステロイド服薬中は、十分なステロイドがあるため、副腎皮質からのステロイドホルモンが分泌されなくなります。

そのため急に薬を中止すると、体のステロイドホルモンが不足してしまうため、頭痛や倦怠感、吐き気、血圧低下等の症状が現れることがあります。

自己判断で急に服薬を中止しないことが大切です。

その他の副作用

痤瘡(にきび)、緑内障、白内障、増毛、脱毛、生理不順等があります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2023年SLE(全身性エリテマトーデス)発症
現役看護師(病院経験5年、訪問看護師経験5年経過中)
他資格:メンタルケア心理士、保健師
治療や経過を看護師目線で記載。
ポジティブに、健康に優しい生活を心がけています。

目次